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マンション大規模修繕で「談合」業者横行、その悪質手口とは


マンション管理において区分所有者の大切な資産であるマンションの品質を保つ大規模修繕工事、現在マンション管理では販売時に長期修繕積立金のプランの提示など、計画的な修繕計画が実施されており、計画通りに行われていることも多いのですが、私の経験上でも大規模修繕のたびに管理組合の修繕積立金をほとんど使い果たすような見積もりを多数拝見したことがありますが、実際に内容を確認してみるとかなり減額できるケースが多かったのはビックリしました。

無駄な工事も一緒に行っていたり、通常の相場よりも高額な工事単価が設定されていることもしばしばマンションにお住いのご所有者様は大規模修繕などやったこともない素人が多いのが実情で、やむなく管理会社や大規模修繕工事業者に言われたとおりに工事を発注し大切な管理費・修繕積立金をむさぼられる。

素人をだますようなことがまかり通っていいのか?

そんなことを考える毎日です。

● 実態が明らかになっているにもかかわらず 一向に変わらない談合リベート体質  私は、この業界の談合体質について10年以上前から問題意識を持ち始めたのだが、当初はなかなかその全容をつかめずにいた。  ところが、ここ5年ほどで実際に談合に関わった当事者から話を聞く機会が多く与えられて、全体像がはっきりしてきた。その成果が2017年1月末に発売された、週刊ダイヤモンド2月4日号に掲載された「業者にだまされない マンション管理と大規模修繕 リベートから談合まで 知られざる大規模修繕の闇」だ。  すると時を同じくして国土交通省が「大規模修繕の不適切コンサルタントに関する注意喚起」を各団体に通知。各種新聞やメディア、そしてNHK「クローズアップ現代+」でも特集が組まれた。そして、このダイヤモンド・オンラインの連載第6回にも書かせていただいた。

 他の方々による注意喚起記事も続出して、「ついに山が動いたか」と思ったものだが甘かった。これほどまで、設計管理者やコンサルタントによる談合やリベートが社会に知られるようになったにもかかわらず、相変わらず談合リベートが公然と行われている例が後を絶たないのだ。  いまだに業界紙には「公募」という名の談合リベート案件が毎日のように掲載されている。  例えば、下記のような内容だ。  「資本金1億円以上、年商30億円以上、会社設立20年以上、経審(経営事項審査:日本の建設業において、公共工事の入札に参加する建設業者の企業規模・経営状況などの客観事項を数値化した、建設業法に規定する審査)800点以上」  といった不自然な見積参加条件がつけられており、業界関係者なら誰が見てもがんじがらめの「談合リベート案件」だ。 ● 絵に描いたような談合リベートに 喰い物にされ続けるマンション管理組合  つい先日も私のところに、あるマンションの修繕委員長Aさんが駆け込んで来られた。  このマンションは47世帯、築12年――。  12年目ということで、「第1回大規模修繕工事が必要」と管理会社から言われての工事だ。コンサルタントとして入ったのは業界で有名なT設計事務所。  実際に、上記のような厳しい見積参加条件を付けて、6社から見積を徴収したら、T設計事務所の設計概算金額が9600万円に対して、9300万円、9600万円、9700万円、9800万円、9900万円、1億円だったという。  これはまさに絵に描いたような談合なのだが、誰も気に留めず、最安値を付けた施工会社で実施することを管理組合総会で決議したという。Aさんは週刊ダイヤモンドの記事や拙著を読んでおかしいと感じ、「一戸あたり約200万円の工事費が妥当なのか?」「修繕積立金では足りず数1000万円の借り入れまでして、すぐ実施しなければならないのか?」という疑問を持って訪ねてくださったのだ。

まず、「これら6社による見積額が絵に描いたような談合リベートを物語っている」こと、次に「談合リベート案件の必然として、T設計事務所の設計概算金額自体が一戸あたり約200万円という、びっくりするほど高額である」こと、そして「大規模修繕工事は特別な問題のない限り、12年ごとである必要はない」こと――等をお伝えした。  すると、Aさんは心底驚いて、一度可決された大規模修繕工事の議案を白紙撤回するための臨時総会を開き、撤回案を可決させて、なんとか契約一歩手前で差し止めることができた。 ● 大量コピーされて出回っている談合リベート 見破ることができても、白紙撤回、契約解除が厄介  もう一つの最近の実例は、約100世帯、築38年のマンションだ。  1回目の大規模修繕が8000万円、2回目が1億円、そして今回は1億5000万円になってしまうのだが、「仕方がないのだろうか?」という、このマンションの管理組合理事長Sさんからの相談だった。  見積もりを見せていただくと、前の例とは別の設計事務所であるにもかかわらず、細かい数字が違うだけの、それをコピーしたかのような内容に思わず苦笑してしまった。Sさんが怪訝な顔をなさったので、前の例のコピーをお見せした。察しのいいSさんは「これは談合されたケースのものでしょうか?」と言われ、私が「その通りです」と言うと「それじゃあ,うちのも100%黒ですね」と正解された。  ちなみにSさんが持ってきたメモはこうである。  100万円未満を丸めた数字だが、設計概算金額1億6000万円に対して、最安値約1億5000万円で、他は1億6000万円、1億6100万円、1億6200万円、1億6300万円――。  コピーを並べて見て思わず二人で吹き出してしまったが、Sさんはすぐに真顔に戻って「しかし、もう設計監理契約をしてしまったのです」と言われた。  相手はA設計コンサルタント。採算の取れないような安い設計料で受注して、リベートで儲けるという、典型的な談合リベート体質で有名な設計事務所だった。  契約の解除は厄介だが、このマンションの管理組合員の身内に法律家がいて関与してくれたので、なんとか契約を解除し、他の設計コンサルタントを厳選して、当初予算よりはるかに安い金額で実施できることになった。

● 設計監理契約を結ぶ前に マンション管理組合がすべきこと  これら二つの例は、幸運にも談合リベートの餌食にならずに済んだという数少ないケースだ。  多くの場合、疑わしくても白紙撤回に向けての煩雑な手続きが困難で、泣き寝入りするしかないというのが現実だろう。こんなことがいまだに行われている状況に呆れるばかりだが、大規模修繕工事の施主であるマンションの区分所有者、管理組合ができることで、まだ十分になされていないことがある。  それはマンション管理にもっとシビアな目を持つということだ。  積立金として先払いをしているので、ピンとこないかもしれないが、これは誰かがしてくれる慈善事業ではなく、自腹で行う工事なのだ。100万円、200万円の買い物をするのに商品を注意深くチェックしない人はいないはずだ。  設計事務所や工事会社の実績や評判を様々なウェブサイトで調べることは、時間さえあれば自分でできる。シーアイピーも「みんなの管理組合.com (https://みんなの管理組合.com)」を運営している。ここには、実際の管理組合が直面してきた諸問題を、各分野の専門家が多角的に答えてきた知恵が蓄積されているので是非参考にしていただきたい。  少なくとも、今回ご紹介したように 1)談合リベートが日常化していること、2)談合リベートを許せば工事金額は不当に高額になること、3)大規模修繕工事は特別な問題のない限り、12年ごとである必要はないことを全区分所有者が共通認識として持っていていただきたいところだ。  この共通認識があれば管理組合はもっと活発になる。管理組合総会も理事会も、出席は白紙委任状が大半で管理会社任せ、大規模修繕委員もなり手がいないので管理会社に委託というマンションは、談合リベート軍団の格好の餌食なのだ。

ダイアモンドオンラインより

日本で分譲マンションが建設され、約100年になります。

談合は、公共工事、民間工事でバブル時期に頻繁に行われていた建設業界の悪い習慣です。

大手不動産会社の管理会社が大規模修繕まで牛耳っている現在の市況の中で、オープンワークで適切な選択をお客様ができる環境を推進していきたいと考えております。

不動産コンサルティングの城南エステート

大規模修繕も数社見積もりで最良のご提案を致します。

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