敷金 原状回復(クロス張替費用)



国土交通省ガイドラインの基本的な考え

クロス張替の費用負担が賃貸人なのか賃借人なのかを判断する上でガイドラインや裁判所の判例などで押さえておきたいポイントが3つあります。

1つが原状回復義務について、2つめが経年劣化・減価償却について、3つめが修繕箇所の負担範囲についてです。

①原状回復義務の定義

ガイドラインでは原状回復について下記のように定義しております。

原状回復義務とは「通常生活しておきる損耗以外の損耗」のことで、「通常生活しておきる損耗」は賃貸人が負担するべきものとしております。

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等

通常生活しておこる汚損・毀損は賃貸人の負担となります。

通常損耗に関する判例でこのような事例があります。

【通常損耗を賃借人の負担とする特約が否決された事例】 大阪高等裁判所判決  平成12年8月22日

判決の要旨 建物賃貸借において特約が無い場合、賃貸期間中の経年劣化、日焼け等による減価分や通常使用による賃貸物の減価は賃貸借本来の対価というべきであって賃借人の負担とする事はできない。 国交省ガイドライン再改定版75ページより抜粋

また最高裁の判決でも平成17年に同じく通常損耗を賃借人負担とすることはできない判決がでております。

クロスの汚損・毀損による張替は通常損耗部分を賃借人へ請求することが多いので注意しておきましょう。

②経年劣化(変化)減価償却

故意や過失があってクロスを汚してしまったり傷つけた場合、クロス張替により精算で重要なポイントとなるのが経年劣化(変化)・減価償却です。

経年劣化(変化)・減価償却をおさえておかないと賃貸人や管理会社よりクロス張替費用の全額を請求されてしまう事もあります。

「建物・設備」の価値は減っていく!

ガイドラインでは原状回復において経年劣化(変化)・減価償却の考え方を取り入れております。

この考え方は「建物・設備」などの価値は年数が経てば価値は減っていくものとしており、入居の年数・経過年数によって価値が減った価格で精算するべきとしております。

経年劣化(変化)・減価償却についての詳しい記事はこちら

入居後6年でクロスの価値は1円に

経年劣化(変化)減価償却の考え方は入居者にとっては大きなプラス材料になります。 継続して入居していればクロス・設備の価値はどんどん下がっていき、万一「故意・過失」にてクロスの修繕などが必要な場合でも「現存する価値」の分だけの支払ですむため入居者の負担は大きく減ります。

下図はガイドラインの入居年数における負担割合表です。

③クロス張り替えの負担範囲

ガイドラインではクロスの張り替えを行う際は「㎡単位が望ましい」としております。

しかし平米単位で張り替えを行うと、クロスの色が異なったりするため逆に価値を下げてしまい賃貸人への負担が大きくなることもあり、「面単位」での精算も賃借人負担としてもやむを得ないとしております。

クロス張り替えの費用負担

故意過失
賃借人負担

故意・過失などで起きた傷や汚れは賃借人の負担となります。

費用の負担範囲は貼り替えの最小単位、やむを得ない場合は面単位の負担。

賃貸人負担

経年劣化(変化)・自然損耗部分は賃貸人負担となります。

善管注意義務違反
賃借人負担

結露・水漏れなどを放置しておきたシミ・カビ・腐食など。 入居者が手入れ・掃除を管理者として注意をしておけば起きなかった部分は善管注意義務違反と判断されることが多く、通常の使用による損耗を超えると判断されます。 費用負担は貼り替えの最小単位、やむを得ない場合は面単位の負担。クロス経過年数、入居年数を考慮して精算。

賃貸人負担

テレビ・冷蔵庫を使用しておきた黒ずみなどは通常の生活でおきる範囲の損耗と考えられるため賃貸人負担となる。

タバコのヤニ
賃借人負担

クリーニングで除去できないものヤニ等で変色や臭いが付着している場合は通常損耗を超えると判断され、居室全体のクリーニング費用または張り替え費用が賃借人負担となります。 費用負担はクロスの経過年数、入居年数を考慮して精算のため入居期間により賃借人負担は減る。

賃貸人負担

クリーニングで除去できる程度のものは用法違反、善管注意義務違反にはあたらないとしており賃貸人の負担となります。

ペット飼育によるもの
賃借人負担

飼育により破損・毀損があったものと、特約などに消毒またはクリーニング費用の記載があるものは賃借人負担となります。 費用負担は「経過年数・入居年数」を考慮して精算するものとしております。

賃貸人負担

民法では任意規定である為、賃貸借契約書や特約事項での修繕義務に関する特約合意は借地借家法に照らして賃借人に不利益な内容でない限り有効とされてますが、契約書の約款や特約などにて記載する「クロス全面張り替え」などの大規模な費用負担を負わせるものは無効とされております。

そのため通常の原状回復における通常損耗部分と特約に記載のないクリーニング費または消毒費が賃貸人の負担となります。

賃貸人負担となるもの
ポスター跡など

壁に貼ったポスターなどの跡は日照などの自然現象によるもので通常の損耗の範囲であると考えられるため賃貸人負担となります。

エアコン設置によるビス穴・跡

エアコンなどは生活必需品と考えられ、設置に必要なビス穴などは通常損耗の範囲と考えられ賃貸人負担となります。

日照などによるクロス変色

日照による変色は通常の生活で避けられないものとしており、通常損耗の範囲と考えられ賃貸人負担となります。

画鋲・ピンなどの穴(下地ボードの張り替えが不要なもの)

下地ボードの張り替えが不要なものは通常損耗と考えられ賃貸人負担となります。

原状回復、賃貸借契約は現在では入居者にとって有利な契約となっております。

元々、賃貸借契約自体が入居者を守る項目が多数記載されていますので、一度賃貸借契約書を読み直すと新たな気づきがあるかもしれません。

都内の不動産会社の中には裁判で無効にあるような、入居者が不利な特約を契約に定める業者も現在でも存在します。

国土交通省のガイドラインを基準として契約の無効などありますので、一度ご確認ください。

国土交通省ガイドラインはこちら

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