不動産投資 メガバンク・地銀・信金の融資基準
メガバンク・地銀・信金の融資基準
融資を受けるためには、各金融機関の特徴を知り、それに合った物件を持ち込む必要がある。
この項では、収益物件の融資に対する、メガバンク、地銀、信金、ノンバンクの特徴について説明するが、この内容はあくまでも一般論の範疇に留まる。
融資に対する金融機関の姿勢は個人に対する評価やタイミングによって大きく変わってくるので、必ず例外がある。
同じ金融機関でも、支店や稟議を書く担当者によっても結果が大きく変わることは良く起きる。
しかしながら、金融機関ごとの基本的な融資姿勢を抑えておかないと、やみくもに打診して失敗を重ねることになるので、知っておいて損はないだろう。
メガバンク
メガバンクは金融機関の中でも一番融資基準が厳しく、審査にも時間が掛かる。
融資規模が10億円を超える案件は行内に多くあり、他の金融機関と違い数億円規模の不動産融資について、融資規模が大きいと見なされることは皆無だ。
顧客には富裕層が多くいるため、不動産融資についても個人属性のハードルが高く、年収1000万円以上・自己資金数千万円で融資の土台に上がれる。
金利は地銀や信金と比べても低く、支店が多いことから融資エリアが非常に広いことも特長的な点だ。
フルローンで融資を受けている人もいるが、基本的には物件価格の7-8割程度の融資割合となる場合が多い。
地銀
地銀は、全国地方銀行協会に加入している第一銀行と、第二地方銀行協会に加入している第二地銀を合わせて「地銀」と呼称されている。
地銀は融資等による企業の資金調達を通じてその地域の経済発展に寄与することを目的としているため、融資を受けるには物件所在地の市町村に支店があることが望ましい。
スルガ銀行など県外の人にも融資を出す地銀も一部存在するが、基本的には申し込みを行った人の居住地にも支店があることが求められる。
例えば、東京に在住している人が北陸の物件を購入しようとする場合、北陸に本拠地があり、東京にも支店がある銀行だと、検討してくれる確率は高くなる。
逆に、北陸にしか支店がなく、申込者も過去北陸に住んでいた、配偶者や親戚が北陸出身者である、などの地縁が全くない場合は、検討の土台に上げることが難しいケースが多くなる。
金利はメガバンクと信金の間ぐらいの水準であることが多く、アパート経営向けのパッケージローンを作っている地銀もいくつかある。
収益不動産への融資に積極的なのは、横浜銀行、千葉銀行、静岡銀行、スルガ銀行、関西アーバン銀行、福岡銀行などだ。
信金
信金は信用金庫法に基づいて設立されており、地域で集めたお金をその地域で貸し出すことによりその地域の発展に生かすことを目的としている。
銀行と違い営利目的として設立されてなく、信金法によって該当エリアの居住者しか会員になることは出来ない。
また、加入時点で従業員300人以下、資本金9億円以下などの基準がある。
このようにメガバンクや地銀などと比べても信金は特異な存在であり、不動産投資において信金との付き合い方についても一定の型のようなものはない。
パッケージングされたアパート経営向けのローン商品もなく、融資審査ではすべて事業性融資として扱われる。
特徴的な点として、支店長の権限が比較的強く、かなり柔軟な対応をしてくれる場合がある点が挙げられる。
多くの地銀が融資金額に一定の上限を設ける中、信金と良好な関係を築き、10億円以上の融資を受けている人も存在する。
経営者の人物面や信用面を重視する傾向が強いこともあり、信金を開拓する際は出来るだけ紹介で行った方が良いだろう。
金利水準は比較的高く、耐用年数も厳しく見られることがあるが、付き合いが深まると柔軟に対応してくれるケースも存在する。
ノンバンク
ノンバンクとは貸金業法に基づいて設立されている会社で、銀行が貸付するための原資を個人・法人が預けている預金で調達しているに対し、ノンバンクは銀行からの借入や他のノンバンクからの融資により貸し出すための資金を調達している。
区分のワンルームなど2,000万円前後までの融資は信販系のジャックスやアプラスを使う人が多く、それ以上の融資は、三井住友L&Fやセゾンファンデックスが使える。
融資審査は比較的早いが、金利は4%台-5%台など、高めであることが多い。
不動産に対する融資姿勢はいつでも常に積極的で、銀行や信金と違い、融資期間内に繰り上げ返済をすることについて後ろ向きな姿勢を見せることもない。
年収が低く自己資金が少ない人にも貸し出しをしているが、ノンバンクから借り入れをしていることを他行は良く思わないことがあるので、メガバンクや地銀から融資を受けられる人は、ノンバンクは劣後して検討する方が良いだろう。
日本政策金融公庫、商工中金
日本政策金融公庫と商工中金は政府が出資している政府系金融機関で、中小企業の資金調達の円滑化を目的としている。
不動産にも積極的に融資をしているが、日本政策金融公庫の場合、4800万円(各種制度を併用すると7200万円)が一つのハードルになる。
物件評価も独自の計算式を使うため、築古の木造にも融資を行うが、最大15年の融資になる場合が多く、高利回り物件を持ち込まないとキャッシュフローは出ない。
商工中金は耐用年数を厳しく見るため、築浅物件に向いている。
どちらも全国に支店を展開していることが特徴で、融資エリアも広く対応している。
年収600万円前後未満の人は、日本政策金融公庫をメインの融資先に据えて物件探しをするのがいいだろう。
上記内容は、個人の感想で記載しており、融資を受けるにも個人差及び金融機関の判断となります。
不動産投資コンサルティングの株式会社城南エステート